望郷

五月十一日、母の一周忌を終えて喪が明けました
十二年間、両親の付き添いと介護に追われているうちに、それまでお付き合いのあった人達との接点が月日を重ねる毎に一人減り・・・二人減り・・・と 歯が抜け落ちるように激減し 気が付くと学生時代に四年間、寝食を共にし卒業後も途切れることなく連絡をくれていた寮友だけになっていました

母が認知症になってから、過去の出来事を思い出すように古いアルバムを持参して見せると・・・
「家族で過ごした町に行ってみたい」 と口癖のように云っていた言葉を思い出し 高齢で動きがとれず葬儀に参列できなかった親戚縁者の皆さんへのご挨拶と私自身の思いで探しを兼ねて家族で過ごした三つの田舎町を約五十年ぶりに訪れてみる事にしました
初日は札幌から特急列車に揺られて五時間余り 今年十三回忌を迎える寮友の仏前に伺い、翌日は訓網線から石北本線に乗り換えて生まれ育った町を訪れてきますが今日まで交通網の整った都市で過ごし運転免許の無い私には思いもよらぬ現実が待ち受けていました
★列車から路線バスへの乗り継ぎは時間帯により二時間から三時間待ち・・・?
★乗換えをする大きな駅?以外は殆んど無人駅・・・?
★JRが廃線になり二時間半に一本しかバスが走っていない・・・?
★夕方五時以降に開店する居酒屋と寿司屋はあるが、食堂と喫茶店は無い・・・?

急ぐ旅ではないので与えられた時間を有効に使わなければいけないようです
  その昔、こんなキャッチコピーがあった事を思い出しました
 ☆せまい日本、そんに急いでどこへ行く!
    昭和48年(1973年)の全国交通安全運動の標語募集で総理大臣賞を受けた秀作です。
 ☆でっかいどぉ 北海道!
    昭和52年(1977年)「 全日空さわやかキャンペーン 」 のキャッチコピーでした。
 ☆ゆっくり走ろう 北海道!
    交通事故ワースト 1 の北海道が交通事故を減らすために ドライバーに呼びかけたスローガン。